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番外編 弟

番外編 弟 ジュンス



ジェジュンは久しぶりに、高校時代の親友、ジチョルに会う。

アメリカに行って、演劇の勉強をして俳優をやっている。

彼も忙しく、僕もユチョンや仕事で、ほとんど音信不通状態だった。

ジチョルがユチョンのMVを見て連絡をくれ、一時帰国したから会うことになった。

ユチョンも退院したし、外の空気に触れろとチャンミンが言った。



久しぶりに会う親友は皆が振り向くほど洗練されてカッコ良くなっていた。

「ジェジュン!おうっ、久しぶりだなあ。元気、、、お前、痩せてないか?弟、大変なのか?」

「ジチョル、久しぶり!うん、、、大変だよ、、、そうだ、僕の弟の話しは、少しは知ってるだろ?

それより、お前の弟って、どうなってるんだ?高校時代まで、一人っ子だったよな。

おじさんの隠し子でもあるまいし、、、、」

ジチョルは笑って、でもすぐ真顔で話した。

「いろいろあってな。ジュンスって言うんだ。お前も勉強の天才だったけど、

ジュンスは凄いんだぞ。今13歳で、アメリカでどんどん飛び級してるんだ。

1度会わせたいよ。可愛いんだぞ。でももう、負けず嫌いで負けそうだよ。いろいろ。

それで、ユチョンは今どうなんだ?」

親友の声が、煮詰まった心をほどいてくれるようだ。ユチョンの事を話す。

彼も情が深い。涙を浮かべて聞いてくれる。その姿に慰められる。

彼も、最初はちょっと躊躇って、でもジュンスもことを話し出した。

ジュンスはジチョルの父の親友の子供で、両親と兄を同じ日に亡くした。

両親は事故で。兄は闘病生活を送っていて病院で自殺した。

9歳のジュンスに初めて会ったのは、病院のICUで、

6歳ぐらいにしか見えないほど成長しておらず、痩せていた。

発見した時は、電話の受話器を握りしめていて、

警察の通信記録の調べでは、

父親の携帯から、病院からと、最後は警察からの通信が最後だったらしい。

身体中に暴力で出来た傷があり、胃に穴があき、肺炎も起こしていて栄養失調だった。

寒い日に、暖房もなく、食べるものもなく、一人で暮らしていたようだと。

ジュンスが目を覚ますと、ドラマのように、記憶喪失になっていて、

思い出させようとすると、また胃に穴があきそうに苦しがるので、そちらの治療はやめたのだと。

「しばらく、人を見ると恐ろしがって大変だったんだ。意識が戻ってから、人の声すらダメで、、

病室の隅でさ、丸まって怯えて吐くんだ。『やめて、来ないで』って言いながらさ。

凄く可哀想だった。暴力の跡があったから、間違いなく酷い目にずっと遭ってたせいだ。

でも、本当のところは、全然わからん。思い出さない方が良さそうだと思うよ。

俺を血の繋がった兄だと思ってる。俺の両親にも。

でもさ、あまりに何でも頑張るんで、どこか、何か感じてるんじゃないかって思ってしまう。

今は元気だし、幸せそうだから嬉しいんだ。」

「そうか、お前んとこも大変だったんだな。」でも、今は幸せで本当に良かった、、、。

この、どこか似た運命のジュンスに、

ユチョンやユノが深く関わるようになるとは、この時は想像だにしなかった。

「ジュンスは、ユチョンのピアノが大好きなんだ。凄く聴いてる。兄に会ったって聞いたら羨ましがるな。」



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